原則立脚型の交渉とは、交渉において、お互いの利益を最大化することを目的とし、立場ではなく利害に焦点を当て、客観的な基準に基づいて合意を目指す交渉スタイルです。
この原則立脚型の交渉において、重要なポイントの一つが「人と問題を分離する」ということです。これは、交渉相手との問題を、その人の人格や性格と切り離して考えること、すなわち交渉相手を個人としてではなく、交渉相手として扱うことを意味します。
交渉において、人と問題を分離することが重要な理由
1.感情的になって交渉が難しくなるのを防ぐため
交渉において、人と問題を混同してしまうと、交渉相手を敵視したり、憎しみを感じたりしてしまうことがあります。その結果、感情的になって交渉が難しくなったり、決裂したりする可能性が高まります。
例えば、仕事上での交渉で、相手が自分の要求を受け入れてくれなかった場合、その相手を「自分を嫌っている」「自分を敵視している」と感じてしまうことがあるかもしれません。その結果、相手に対して攻撃的な態度をとったり、交渉を投げ出してしまったりする可能性があります。
しかし、人と問題を分離して考えることができれば、交渉相手を個人としてではなく、交渉相手として扱うことができます。その結果、感情的になることを防ぎ、冷静に交渉を進めることができるようになります。
2.より建設的な交渉が可能になるため
人と問題を分離することで、交渉相手と対立するのではなく、共通の利益に向けて協力する関係を築くことができます。その結果、より建設的な交渉が可能になります。
例えば、ビジネスでの交渉で、相手と販売価格を交渉しているとしましょう。この場合、相手を「自分を敵視している」と感じてしまうと、相手に譲歩しないように固執してしまうかもしれません。しかし、人と問題を分離して考えることができれば、相手と共通の利益である「売り上げを伸ばす」ために、販売価格を調整するための新たなアイデアを出すことができるかもしれません。
このように、人と問題を分離することは、原則立脚型の交渉において重要なポイントです。交渉において、より良い結果を出すためには、ぜひ実践してみてください。
人と問題を分離するためには、意識すること
1.相手の主張を理解しようとする
交渉において、相手の主張を理解しようとすることは、人と問題を分離するために欠かせません。相手の主張を理解することで、相手が何を求めているのか、その背景にはどのような事情があるのかを理解することができます。
相手の主張を理解するには、相手の話に真剣に耳を傾け、相手の視点に立って考えることが大切です。また、相手の主張を否定したり、批判したりするのではなく、まずは理解しようとする姿勢を示すことが重要です。
2.相手の感情に共感する
相手の感情に共感することも、人と問題を分離するために大切なことです。相手の感情に共感することで、相手との信頼関係を築き、交渉を円滑に進めることができます。
相手の感情に共感するには、相手の表情や声のトーンから、その人がどのような感情を感じているのかを読み取ることが大切です。また、相手の感情を理解した上で、その感情に共感する言葉をかけることも効果的です。
3.自分自身の感情をコントロールする
交渉においては、自分自身の感情をコントロールすることも大切です。感情的になってしまうと、相手を敵視したり、交渉が決裂したりする可能性が高まります。
自分自身の感情をコントロールするには、交渉の前に、自分の感情を落ち着かせるための準備をしておくことが大切です。また、交渉中は、相手の言動に惑わされないように、自分自身の感情を常に意識しておく必要があります。
まとめ
人と問題を分離することは、原則立脚型の交渉において重要なポイントです。交渉において、より良い結果を出すためには、ぜひ実践してみてください。
人と問題を分離するためには、①相手の主張を理解しようとする、②相手の感情に共感する、③自分自身の感情をコントロールする、という3つのことに意識することが大切です。